オランダの陽射しに迎えられて

8月6日(日)Namur

8月7日(月)8:35 ナミュールNamur ~ 12:05 ユイHuy(2ロック)

8月8日(火)8:35 ユイHuy ~ 12:40 リエージュLiege(2ロック)

8月9日(水)8:40 リエージュLiege ~ 12:15 マーストリヒトMaastricht (1ロック、ここからオランダ)

6日はとても寒い日で朝から冷たい雨が降っていました。予定より1日早くナミュールに到着したこともあり、この雨の中を是が非でも出発しなければならないということもないので、多数決の結果、ナミュールにもう1泊することにしました。日曜日は本当に寒く、夜も分厚い寝袋の上に毛布をかけて寝ました。

月曜日からのユイ、リエージュは2011年に訪れた懐かしい街です。この辺りのロックは数は少ないのですが深さが4〜5mもあり、しかもその時はマーストリヒトからナミュールに行ったので上りのロックでした。今でこそ経験を積み、色々なロックに対応できますが、その当時は何もわからないど素人。どうやって乗り越えていたのか。よくまあ無事に毎日航行していたものだと思います。きっと有形無形でいろんな人の助けがあったに違いありません。そして街歩き。スーパー、ショッピング、観光。新しい街に着くとすぐ動き回っていました。歩くことに何の不安もなかったあの頃の自分が羨ましい。

 

今日。ベルギーからオランダに入りました。マーストリヒトのロックで入国の手続きがあるかもしれないとリョウさんは言っていましたが、結局何もありませんでした。オランダに入ったからなのか、或いはそういう日にオランダに入ったからなのか、何日ぶりかで太陽の強い日差しを浴び、冷たくなっていた手足が温かく溶けて行く感触がありました。

ベルギーとオランダの国境にある深さ13mの巨大ロックを通過。
(左)マーストリヒトのハーバー。(右)この電車で市内観光。

 

ナミュール到着!

8月4日(金)8:45 Landelies ~ 18: 05 Namur

8月5日(土)Namur

ランドリーズLandeliesは初めて停泊する場所ですが良い所で、緑豊かな自然環境もさることながら、停泊している船同士が知り合いで、情報交換しあっているのが微笑ましい。で、私たちにも声をかけてくれ、明日の朝何時に出るのか、どこへ行くのかと聞いて来ました。翌日になってこうした情報交換の重要性がわかりました。ランドルシーズからの運河はブリュッセル方面やナミュール方面へ向かう分岐点で、それ以降の運河は商業用のバージも多く通る大きいロックが続く幹線運河です。小さいプレジャーボート1隻ではなかなかロックに入れてもらえない。そこで何隻かで固まって進んで行こうというのです。結局、前日停泊したところから7隻の船が一緒に大きいロックを通過。その後、3隻がブリュッセル方面、4隻がナミュールへと固まって航行。ナミュール組にSAKURAⅡも入りロック前で長時間待たされることもなく到着できました。

(左)ランドリーズの停泊場所。(右)みんなでロック通過

予定より1日早く着いたナミュール。12年前に初めて来た時、船から見えたシタデル(城塞)や街並みががとても美しかったのに感動したのを覚えています。若かったのであちこち歩き廻りました。シタデルの上まではバスしかなかったと思っていたら、今回来てみるとロープーウェイが設置されていて頂上まで往復できます。早速利用しました。

(左)ロープーウェイから見た城塞。(右)世界遺産にもなっているナミュールの街並み

 

ベルギー入国

8月2日(水)9:10 Hautmont ~ 14:50 Thuin(7ロック)

8月3日(木)9:15 Thuin ~ 11: 05 Landelies(4ロック)

水曜日、オーモントHautmontを出発して昼前に3つ目のロックを通過。これがフランス最後のロックです。でも手続きなどなく、ロックのコントローラーを返却しただけでした。運河にはフランス、ベルギーという国に関係なく同じ水が流れています。国境の表示もありません。日本人が思う国境の概念とはかなり違う気がします。ただベルギー第1番となる次のロックでは、建物の中でベルギー入国の書類をもらいました。昨日チュワン、今日ランドリーズと、停泊2日目ですが、ベルギーも自然豊かで慎ましい印象です。第2クール目的地ナミュールまで後少し。

(左)下りのロック。ボラードは目の前に。(右)水位が下がったらこんな感じに。

希望が見えた今日でした

8月1日(火)8:55 Land Recies ~ 13:30 Hautmont(7ロック)

7月20日に「パリまで、そして明日から」で紹介したこれからのルートは、思案の結果、変更しましたので改めて地図でご紹介します。Chauny からSambre a l'oise 運河を通りベルギーのナミュールNamurへ行くコースです。私たちはその最終行程を進んでいて、ロックも下りになりとても楽。何だか希望が見えた今日でした。

今進んでいるコース。黄色の線。

 

「春夏秋冬」のフレーズが

7月29日(土)8:50 Origny-Ste-Benoite~16:20 Tupigny(11ロック)

7月30日(日)9:20 Tupigny ~ 12:40 Le Gard(14ロック)頂上

7月31日(月)9:25 Le Gard ~ 12:20 Land Recies(2ロック)

29日からの行程が一番きつい所、上りのロックが25も連なっています。昨年下りで通ったことは一つの自信であったので、リョウさんは今回この行程を1日で行けると考えていたのですが、現実は甘くはありませんでした。ロックは上りと下りでは大違い。小さいロックですが3m前後の深さがあり、ロックに入ると船からはボラードがどこにあるかもわかりません。朝一つ目のロックから先回りしながらついて来てくれたVNFの担当者にロープを投げて、ボラードにかけてもらいます。そして前からの水流にロープを引いて耐えます。このようなロックが間隔を空けずに次々と現れるのです。こんな作業を繰り返し、結局ロック11個が終わったところでその日は終了(VNFは航行者の意思を尊重します)。

30日は残りの14ロックを目指して出発。とにかくロックを越さないことには次へ進めません。逃げ道はない。VNFの担当者が今日は2人ついてロープ掛けを手伝ってくれたので、何とかお昼過ぎに頂上のNO.1ロックを通過。本来なら担当者は最後の8つはつかないそうですが私が大変そうなので親切にも最後まで手助けしてくれたのです。その気遣いが嬉しく、日本から持ってきた「大吟醸」300mlの小瓶を2人に進呈しました。

 

VNF=Voies Navigables de France

フランスのすべての水路網のうち航行可能なセクションを管理する国の機関。職員は国家公務員。

こんなロックが次々に‥

ところで話は変わりますが、働いていたころ、難しい事案をしなくてはいけない時、泉谷しげるの「春夏秋冬」のサビを自然と口ずさんでいました。退職して長いので忘れていましたが、久しぶりに30日、フランスのロックで水流に耐えながらそのフレーズが頭の中を回っていました。

今日で全てが終わるさ

今日で全てが変わる

今日で全てが報われる

今日で全てが始まるさ

 

 

 

上りのロックが続きます

7月27日(木)8:15 Compiegne ~ 15:00 Chauny(4ロック)

7月28日(金)8:45 Chauny ~ 16:25 Origny-Ste-Benoite(14ロック)

「山越えコース」の入口シャウニーを後に今日28日から「山越えコース」の始まりです。昨年と逆から入ります。今日1日で上り14ロック。小さいロックとは言え2〜3m上がるのでロープかけが大変。前からの水流にも耐えなくてはいけません。とても疲れた1日でした。明日1日上るとその後はずっと下りだそうで、それを楽しみにします。

オワーズ川側設運河。この真っ直ぐな運河を見ると「運河は人が作った」ということがよくわかる

どちらへ行こうかな?運河地図に聞いてみよう

ここコンピエーヌは東へ行く運河と北へ行く運河との分岐点。私たちもしばし思案。

『12年前に下りで通ったコースで、1日に上りロックが27個も続く場所のあるコース』

『去年通った山越えコースだが、終盤に運河地図を持って来なかった運河のあるコース。』

で、思案の結果、12年前の郷愁より安全を重視し山越えコースを取ることに決めました。持って来なかった運河地図はコンピエーヌで購入することができました。

なので次はシャウニーChaunyに向け出発です。

ところで運河を走行する時はもちろんコース決定などの時に知っておきたい運河に関する重要な情報を網羅したのが運河地図です。2種類あり、『fluviacarte』『Guide Fluvial』。どちらも運河の形状はもとよりロックの場所や深さ、橋の高さ、停泊可能な場所、町や村の様子、歴史などなど、仏英独語で書いてあり大変重宝しています。